N.Yさん N.Mさん(プラチナ)
プラチナ結婚指輪(19号、8.5号)。
<事前打ち合わせ&シルバー試作、本制作>
上中段/純プラチナリング 下段/シルバーリング
「純プラチナ(*pt1000)で結婚指輪が作れたら。鍛金経験有り!」と、いう内容で、お申し込み下さいました(^ ^)。
打ち合わせで詳細をご相談。
彼は学生の時に1年の鍛金制作をしていて、銀、銅に関して理論も技法もマスター。
奥様は全く経験無し。
彼には繰り返しになりますが、奥様目線でいろいろとレクチャー(^ ^)。
デザインは、両サイドの腕が抱きしめるようなオーバーラップの形。
そして使用プラチナの純度の問題。
純プラチナ。金、銀と同様、純度99.9%は実用的には軟らか過ぎで通常は使うことはありません。
ただ、そこはこだわれるカスタムジュエリーの世界!
最終工程前のへら掛け(鋼鉄棒で磨き上げる方法)などで地金を締めて硬化させることで使用決定!
シルバーで試作を兼ねて一日講習し、プラチナ本制作へ進むことにしました。
幅3mm厚さ1.6mmの地金を使います。
後日先ずシルバーで試作です。
銀地金をリングサイズに重なる長さ分を足してカット。
リング内側におふたりの名前と日付けを刻印。
両端を徐々に細く、エッジも丸みを付けるようにヤスリで削り出しです。
重なりの形をイメージしながら慎重に、慎重に・・・。
リングサイズよりも小さめに、極力真円に近く、重なりもピッタリ合わせながら曲げていきます。
形が決まる部分なので、ここも慎重に・・・。
重ね部分をロウ付け(溶接)し、真円に成型。
リューター(研磨機)等を使いながら磨き、鏡面仕上げのシルバーリングが完成です(^ ^)。
彼はさすが経験者。作業は自分の思ったように自由に作ってもらいました(^ ^)。
ステアクラフトは奥様のサポートと、たまのアドバイスと、機材の準備だけ♪
そして2週間後、本制作です!
最初、純プラチナ(*pt1000)の軟らかさにちょっと(^ ^;)。
もう引き返せません、続行!!
失敗できないプレッシャーに慎重になりつつも、手順はシルバーと同じ。
思い出しつつ進みます。
名前、日付けの他に、この日のために取り寄せた「pt1000」の刻印も打ちました。
ヤスリ掛けは、プラチナの方をシルバーより丸みを多くもたせるように削りました。
最も違う作業は酸素バーナー。
高温の炎で、ロウを十分熱し、とてもきれいに廻せました!
真円に成型、サイズ確認、地金を締めるへら掛けを行い、艶消しに仕上げて完成です(^ ^)。
曲げ、打ち、へらと、加工硬化も得られ、強度もほぼ問題ないと思います。
久しぶりの鍛造を、こだわりの結婚指輪という形で楽しんで頂けてよかったです。
奥様は初制作で、見るもの触るもの新鮮なことばかりだったと思いますが、きれいなリングが出来ましたね。
作りに来て頂いてありがとうございました(^ ^)。
また鍛金、作りたくなったら来て下さいね。
ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに♪
13/10/13シルバー制作 13/10/27プラチナ制作 即日お持ち帰り
*pt1000・・・2012年3月まで使用されましたが、現在一般市販品はpt999と表示されています。
表示が変わっただけで同じ意味です。
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