H.Tさん T.Sさん(プラチナ鍛造)
プラチナ結婚指輪(23号、12号)。
<事前打ち合わせ&本制作>
上2段/プラチナリング 中3段/制作工程 下段/練習用シルバーリング
打ち合わせ当日の朝お電話を頂き、運良くその日午後に打ち合わせが出来ました!
WAXで原型を作るロストワックス技法(鋳造)ではなく、金属そのものを曲げて作る鍛造がご希望!
ご相談を進め、プラチナインゴッド(塊)から作ることに決まりました(^ ^)。
素材は、プラチナ900。
ここから幅3mm厚さ1.8mm、幅2.5mm厚さ1.5mmのリング2本を鍛造します。
制作当日。
デザインはミル打ちに決定。
小さな粒をリング一周に手打ちします。難易度はかなり高めです!
先ずはリング作り。圧延機の使い方を銅線を使って試し延ばしし、プラチナの塊を延ばしていきます。
圧力がかかり、地金が締まって硬度が増すので、
時々バーナーで焼き鈍しをし地金を軟らかくしてまた圧延、を繰り返します。
幅3mmまで延ばしたら二人分に分け、それぞれのご希望の幅厚さまでさらに圧延しました。
リング内側におふたりの名前と日付けを刻印。
必要な長さに調整し、リング状へ曲げます。
接合面をピッタリに合わせ酸素バーナーでロウ付け(溶接)。
真円に打ち出し、ミル打ち準備です。
おふたりにはミル打ちの練習をして頂き、その間に、旋盤でリングに2本の溝を切削します。
H.Tさんのリングは切削出来ましたが、T.Sさんのリングが切削圧力に負け、
空転を起こしたため、内側の刻印が削れてしまうアクシデントが発生!
ご相談の結果、再度作り直しにさせて頂きました。
T.Sさんのリングだけではなく、無償でもう一度同じインゴッドを取り寄せ、再度おふたり分を作って頂けることに。
再度来訪と、制作時間をとるというご無理をお掛けしてしまいましたが、
手作りの難しさ、貴重な体験をさせてもらえたと仰って頂き感謝です(^ ^)。
翌週までに旋盤の調整を整え、始めから作り直しをして頂きました。
前回、プラチナで試作したことになるので、サクサクと制作進行!
約半分の時間で、真円が完成!
もちろん旋盤の溝の切削もクリア!
前回のプラチナリングでミル打ち練習をし、本番もずれなくきれいに打ち入れできました(^ ^)。
鏡面に研磨し、完成です♪
後日ロジウムメッキをして完成です。
プラチナ地金が予定より多く残ったのでT.Sさんへ、ピアスを制作しプレゼントです。
今回は講習を始めて初めての作り直しでした。
おふたりの優しさに、難しさもあるけれど、やっぱり手作りは面白い、と、良い教訓、にさせて頂きました。
本当にありがとうございました(^ ^)。
ご結婚おめでとうございます。素晴らしい挙式になりますように。
末永くお幸せに♪
2016/9/22挙式
2016/6/19、26制作 2016/7/6 郵送にてお渡し
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